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非公開で書き溜めてたけど2014年12月に公開

【メモ】M&A成功への鍵

週刊ダイヤモンド2011/10/08号より

 

①「投資テーマ」の明確化

会社の成長戦略や、事業の集中と選択が明確であることが大前提だが、
それと合致する「投資テーマ」を明確にする必要がある。
投資テーマとは、買収後の企業価値を最大限に向上させるための施策のこと。
例)どのセグメントの顧客をどれくらい獲得するために、買収する会社の特定の
インフラや能力を活用して、どれくらいの売り上げ増を狙う、というレベルまで。

 

②狭く、深く、定量的なデューデリジェンス

デューデリジェンス…買収先の企業にどのような価値とリスクがあるかの査定
「投資テーマ」に焦点を当てて十分に掘り下げたDDが重要である。
例)顧客獲得が投資テーマの一つであれば、買収先企業の自分たちが獲得しようと
している顧客層への浸透度、その顧客層からの支持のトレンド、その理由等。

 

③統合後の「ブループリント」策定と合意形成

ブループリント(青写真)…「投資テーマ」を実現させるための一連のアクション
買収後、具体的に何をすべきか、成功報酬はどうするか、といったことを経営陣と
うまく合意を握り、実行させていくことが重要である。

 

④「スコープ」か「スケール」か

スコープディール…規模や事業にあまり重なりのない企業の買収
スケープディール…規模の拡大を図る買収
これまで弱かった製品やチャネルの獲得を通じて、海外市場を一気に取り込む
ための買収が増えることが予想されるので、今後日本企業が海外企業を買収
する際はスコープになる場合が多いと想定される。

 

⑤意思決定スタイルと経営陣の統合

統合過程においては、新しい会社としてどのような意思決定をしていくか、
そのプロセスや仕組みをきちんと両社で議論していくことが、企業風土の
統合にも繋がる。

 

⑥小ディールを積み重ねることが早道

企業買収の精通するためには組織としての経験値を上げるしかない。
買収を多く重ねる企業の案件と、自社よりも小さな企業をのみ込む案件は、
より企業価値が向上しているという調査結果がある。
例)ネスレM&Aチーム

 

⑦本社のグローバル化、ガバナンスの構築が不可欠

日本本社をいかにグローバル化するかが課題。
その鍵は多様性での許容であり、多様な人材が活躍できる土壌になって
いなければ、いずれ海外事業運営との齟齬が生まれる。
買収される海外企業の側から見て、魅力ある本社となれるかが重要。